ファブリー病は、ヘミ接合体(Hemizygote)の男性では四肢疼痛、被角血管腫、低汗症、角膜混濁、心・腎および脳血管障害などが出現し、ヘテロ接合体(Heterozygote)の女性でも無症状のものから重症のものまで多彩な症状を発症します。現在、ファブリー病に対する酵素補充療法、シャペロン療法が開始され、有効性に関して様々な報告がされているが、皮膚の乾燥やかゆみなどの改善は充分には得られていません。
今回、私たちはファブリー病患者を対象に皮膚の乾燥やかゆみに対する保湿入浴剤(ドゥーエⓇ)の効果について検討を開始しました。
昨年は、ファブリー病患者10名を登録し解析を行いました。少人数であり、有効性の判断は難しいものの、多くの患者において皮膚の乾燥やかゆみに対する自覚症状の改善が認められました。
昨年度は、新たにファブリー病患者20名の登録を開始しました。コロナ禍の影響のため当初の計画より遅れているものの予定症例数の登録は完了し、本年度は、順次、解析を予定しています。
WCD 2019 第24回世界皮膚科学会議
(24th World Congress of Dermatology MILAN 2019)
第75回 日本交通医学会 総会
資生堂ジャパン(株)
ライソゾーム病は、ここ数年、酵素補充療法・遺伝子治療など先進的な治療法の開発が進んできていますが、希少疾患であるがためにその疾患や治療に対する正しい知識は、医療関係者の中でも限られています。現実にはその診断が遅れる、または他の疾患と間違えて診断がされてしまうという状況を完全に改善するには至っていません。
そのため、ライソゾーム病について少しでも知っていただくために、人間ドックや検診の受検者、さらには一般の方々を対象にした “人間ドックで困らない結果の見方”を制作・編集し、Sakura Squareにて“人間ドックの結果の見方”として掲載いたしました。
日本人間ドック学会の報告では、年間約300万人の方々が人間ドックを受検されています。さらに検診まで入れた場合、厚労省の報告では約1,000万人の方々が受診されています。そのため、疾患の啓発に加え、希少疾患・難病の患者を広くスクリーニングを行う上でも、人間ドックや検診の受検者を対象にライソゾーム病の疾患啓発を行うことは重要な意味があると考えられます。
ぜひ、新たに公開したSakura Squareで、“人間ドックの結果の見方”をご覧ください。